三月の気持ち
出勤の途中、今年初めての
桜を見かけました
写真を取り損ねてしまったけど
どうして桜を見ると
ああも頬が緩むのだろう
心に灯がともるように
身体の内側から花が咲いたように
体全部で春がきた!と実感できる
短い春のはじまりですね
久しぶりに寝る間も惜しむほど
読みたい衝動に駆られた本に出会いました
「雪の断章」著:佐々木丸美
昔の作家さんによく見られるのが
物語りにまとわりつく
回りくどい情景や心象風景の連続で
スムーズに読み進められない!
なんてことがあります
けれど最近の薄っぺらい内容の本に比べると
それらは物語を包む大事な衣のように
厚く重く、その表現方法あっての
内容に想えてくるだけでなく
だんだんと癖になるから不思議です
ネタバレになるので内容は書きませんが
少しだけ感想を↓
主人公の少女の幼い頃から大人になるまでが
描かれており、反抗期や思春期の様子や、
大人になっても心の殻に閉じこもる様子は
見ていてもどかしくもあり、
苛立つところもありました
けれど自分を振り返ってみて
思春期や大人になった今だって
人前で話せないような
恥ずかしい行動をとってしまうことや
正しいことばかり選べなくて
後味が悪くなったり歯がゆい思いをする
ということだって少なくありません
リアルさだけを追いかけたものが
面白いとも思いませんし
夢があり非現実の世界を作り出せるのが
小説の面白さだとも思います
それでも彼女の子どもっぽい反発や
私には理解できない行動も
なんだか人間味に溢れていて、
より近くに感じられました
この作品に限りませんが
年齢の割に大人びた思想や言動などは
そのまま作者の言葉でもあるので
私の頭からはひねり出せない
それらの表現にはいつも脱帽します
作者の佐々木丸美さんは
既に他界されております
主語述語が足りず、これは誰の台詞?
など多少読みづらい部分もありますが
このくらいの時代に
書かれた作品が私は結構好きです
まずはもっと語彙の知識を深めよう
彼らのようなくどい表現が書ける作家に
私もなりたいです
2コメント
2016.04.02 15:35
2016.03.23 15:36